もうすぐ創業400年。江戸時代から続く御菓子司「虎屋本舗」の次代当主が実践する”温故知新”【起業インタビュー第35回】|起業サプリジャーナル

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もうすぐ創業400年。江戸時代から続く御菓子司「虎屋本舗」の次代当主が実践する”温故知新”【起業インタビュー第35回】

公開日:2017.08.08

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虎屋本舗

時の将軍は徳川2代目・秀忠。大阪冬の陣と夏の陣で豊臣家が滅亡し、遠くイタリアではガリレオの宗教裁判が始まった頃――

元和6年(1620年)、のちに400年以上続くことになる和菓子屋が広島で産声を上げた。

 

高田 海道(たかた かいどう)氏
広島県福山市出身。早稲田大学政治経済学部2009年に卒業後、不動産会社、議員秘書の勤務を経て、2013年に株式会社虎屋本舗へ入社。
現在、瀬戸内は備後福山の地にて創業397年目を迎える和菓子本舗で修行中。2020年の創業400年時には第17代目当主として就任予定。

 

虎屋本舗の和菓子

まずは伝統の名物をご紹介。写真だけでもふわふわの食感が伝わってきそうだ。

元祖名物 虎焼 (トラヤキ)

江戸時代中期、虎屋8代目当主が屋号に因み虎の模様に焼き上げたどら焼き。備後福山の伝統的なお土産や贈答品として人気の高い虎屋の名物。

 

桜、はっさく、いちじく、青りんご、柚子など、各季節限定の虎焼も豊富に取り揃えている。

れもん虎焼(夏季限定)

白餡に広島県瀬戸田産のレモン果汁と瀬戸内のレモン果皮を混ぜた、爽やかな酸味と優しい甘さの生地との組み合わせが絶妙。

 

本物そっくりスイーツ

TV、雑誌など各メディアで採り上げられている、老舗の技術を駆使した新商品。

細工菓子の応用版で、その技術を現在風にアレンジしたものです。開発は12年前から行っています。
「老舗がこんなにとんがった商品を作っている」ということで各メディアにもご注目いただいています。

 

尾道らーめんそっくりなキャラメルポワール(新発売)

広島県備後地方のご当地らーめん「尾道らーめん」そっくりにつくられたキャラメルとポワール(洋梨)のムース。

 

たこ焼きにしか見えないシュークリーム

本物そっくりスイーツの先陣を切った、人気第1位の商品。
スペシャル版は、紅しょうがに見立てたものが添えられ、中にたこに代わるものが入っているそう。

 

「大資本1人勝ち」の時代に

地方の、特にバイパス(道路)を通ると、一瞬自分がどこの町にいるのかわからなくなることがある。
道沿いが、全国チェーンのファミレス・ファストフード店・コンビニ・牛丼屋・大型スーパー・家電量販店で埋め尽くされ、町の個性が消失しているからだ。

ある面では「大資本1人勝ち」と言ってもよいそんな時代を、広島県福山市という地方都市に拠点を置く虎屋本舗はどのような戦略で生き抜いているのか。

地方の市場規模は縮小しています。ですから、お客様1人1人との関係性・密度を高める戦略を採っています。

コンビニやネットショッピングで手軽に何でも買えるこの時代に、なぜお客様はわざわざ店舗に足を運んで下さるのか。それは商品を買う過程を大事に考えていらっしゃるからだと思います。
弊社の店舗でも、ご来店いただいた方には「○○さんいらっしゃいませ」「今日はどういうご入り用ですか」「お子様はおいくつになられましたか」など、そのお客様に応じたお声掛けを必ず励行しています。そういう何気ない会話にお金以上の価値を感じていただけていると思っていますし、それが地方のものづくりの生きる道だと考えています。

 

老舗の矜持 ~文化体験を提供する

お客様の7割が地元の方々という虎屋本舗。それだけ地元に愛され、支持を受けるには理由がある。

私たちはただ単にお菓子を作って売っているのではありません。400年続く伝統の和菓子作りに込められた文化を体験していただくという価値をご提供していると自負しています。
虎屋本舗の顧客層は高齢者です。世代を超えた価値をいかに提供するか、顧客の次の世代の方にいかに虎屋本舗をご承継いただくか、が課題の1つです。

 

和菓子職人 島キャラバン

虎屋本舗にかかってきた1通の電話を機に実現した、瀬戸内海に浮かぶ島への和菓子職人訪問イベント。
白石島の食材を用いた和菓子作り教室が開催されたそうだ。


 

移動お菓子教室

この移動お菓子教室も虎屋本舗の文化体験活動の一環として威力を発揮している。子どもから高齢者まで、参加者全員が「和菓子職人」に。


 

虎屋曙本店夏祭り

1企業が開催する祭りとは思えないほど多彩な出店と多くの人出で賑わう、曙本店の夏祭り。少子化が進む現代日本においては稀有になりつつある光景かもしれない。


 

老舗の永続性

「創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」という書籍がある。同書は『概ね10代以上の経営トップが受け継ぎ300年以上の歴史があり、50億円以上の売り上げがある企業を「日本型サスティナブル企業」と定義し、様々な角度から検討を加えた』(『』内はAmazon内容紹介より引用)ものである。
この点、高田氏はこのように語る。

スタートアップの成長性は素晴らしいと思います。弊社のような老舗の中小企業は、同じような成長性を追いかけることはできません。
では、どこにポイントを置いているのかと申しますと、「継続性」と「持続性」です。前者は、時代に合わせてヒト・モノ・カネを柔軟に組み直すこと、後者は、物事の本質を紐解き、それをいかに体系化し、商売に具現化するか、ということです。

まもなく創業400年を迎える老舗企業の次代当主の言葉は深く、そして重い。

 

高齢者雇用の促進

昨今、業種によっては人手不足に喘いでいる企業は、都会でさえ少なくない。
地方ではなおさら深刻であろうこの問題に虎屋本舗はどのように取り組んでいるのか。

弊社では、もちろん若手にも門戸を開いていますが、高齢者雇用を積極的に推進しています。従業員の実に6割以上を65才以上が占めているんです。
シニアの方々は社会にコミットし続けることに大きなモチベーションをお持ちですから、場合によっては新卒よりやる気があります(笑)

高齢化が加速し、同時に「健康寿命」が延びている現代では、仕事を供給する企業側にとって虎屋本舗の取り組みは大きなヒントになるだろう。

 

歴史が教えてくれる

虎屋本舗には『商人道十訓』というものがある。最も印象に残ったのが、「その八 我が道は一をもってこれを貫く」に関するお話。

この商訓は「本業に集中せよ」ということです。これに背いて他の事業に手を出した時代は、必ず経営が傾いています。何が正しいかは歴史が教えてくれます(笑)

江戸時代から脈々と受け継がれる伝統と歴史。
創業400年のタイミングで承継が予定されている、若き17代目の当主がどのような手腕を揮うのか。今から楽しみだ。

 

虎屋本舗 もうすぐ創業400年 御菓子司

公式サイト(ネット販売あり)
公式Facebook

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