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【起業インタビュー第22回】原点はスターバックスに 自然体を切り撮るLovegraphのホスピタリティ

公開日:2017.04.21

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僕がスターバックスで働いていなければ、ラブグラフはこういう会社のコンセプトになっていませんでした。

今でも緑のエプロンが似合いそうな爽やかな青年は快活にそう語った。

 

駒下 純兵(こました じゅんぺい)氏

株式会社ラブグラフ代表取締役/Photographer
1993年生まれ、大阪府出身。関西大学社会学部卒。
大学から始めたカメラの経験を活かしてミスコンや広告写真の撮影、富士フイルム写真教室の講師などを務める。
2014年、「得意な写真を通して人を幸せにしたい」という思いで撮影した友人カップルたちの写真が掲載されたHPがネットで話題を呼び全国から撮影依頼が入るようになる。全国からの依頼に対応するため、北海道から沖縄までカメラマンを揃え、2015年株式会社ラブグラフ設立。現在では写真撮影事業の他に「Lovegrapher」のブランドを活かした写真教室事業やプロモーション事業なども行う。

 

ラブグラフとは

ラブグラフとは、カップル・家族のお出かけにカメラマンが同行する写真撮影サービスだ。10代、20代を中心に、全国から毎月200件以上の撮影依頼が入っているという。

駒下氏と村田あつみ氏(株式会社ラブグラフCCO)の2名で大学在学中に立ち上げたラブグラフ。1年前まで総勢わずか4人だった社員も、今や15人にまで膨らんだ。

この急成長の理由の1つは、料金設定にあると考えられる。
ラブグラフの平日撮影は9,800円。一般的に、フォトスタジオを使うプロカメラマンの撮影だと50,000円程度かかると言われているところ、その約5分の1、価格差にして約40,000円も廉価なのだ。

もう1つの理由は、「カップル・家族がカメラマンに写真を撮ってもらうためにスタジオ(あるいは別の場所)に行く」のではなく、「カップル・家族が出かける場所にカメラマンが同行する」というコンセプトが忠実に実践されている点にあるように思う。

人にカメラを向けられるというのは、普通は緊張するし、構えてしまうものだ。結婚式や入社式などで集合写真を撮る際に笑顔が固すぎて、カメラマンから「皆さんもっとリラックスして下さい」とやんわり撮り直しを示唆された経験は、誰もが一度はあるだろう。
ところが、ラブグラフで写るカップルや家族は、誰もが皆自然な笑顔をこぼしている。まるでその場に第三者であるカメラマンなど存在しないかのように。

どうしてこうも自然体が撮れるのか。その秘訣は意外なところにあった。

 

スターバックスに学んだ

被写体であるカップルや家族とのコミュニケーションのとり方はカメラマンによってさまざまだそうだが、ラブグラフでは「たとえ撮影の技術が優れていてもコミュニケーションが苦手なカメラマンは採用しません」と駒下氏は明言する。

例えば、「自身の就職を機に離れ離れになってしまった家族と久しぶりに会って、その光景を写真に残したい」という依頼がラブグラフに舞い込んだとする。
担当カメラマンは駒下氏。氏にとっては、依頼者を含めたその家族全員と撮影当日が初対面だ。さてどう解きほぐすのか。

僕の場合、まずはあまりかしこまらずに「よろしくお願いします」とご挨拶します。
そして「皆さんで旅行された思い出とかありますか?」などの軽い雑談から入ります。
その後しばらくは敢えて僕は引いて、ご家族の自然体を待ちます。
その光景を何枚か写真に撮ってみてその場でお見せすると「きれいに撮れてるね」と喜んで下さるので、そこから徐々に親しくなる、というかんじですかね。

ところで、スターバックスでは、来店されたお客様に対して「いらっしゃいませ」とは決して言わない(はずだ)。
はるか昔のうろ覚えであるが、「いらっしゃいませ」と言った瞬間に「店員と顧客の壁」ができてしまうことはスターバックスが望むことではない、という趣旨だったように記憶している。

来店者が望むことや喜ぶことに対し、その期待をちょっと上回るサービスを提供すること。逆に、来店者の個性を鑑みない、受け取りようによっては「望まない過剰なサービス」は提供しないこと。
スターバックスで働くパートナー(店員)は、これらの微妙なバランスを楽しんで追求するタイプの人が圧倒的に多かったような気がする。

大学時代、駒下氏はスターバックスでパートナーをしていたそうだ。
先のご家族へのアプローチの仕方を伺って、氏もまた、「目の前にいる方が何を望まれているのか、どうすれば喜んで下さるか」ということを考えた上で実現できる「スタバ文化」の継承者なのだな、と感じた。

僕がスターバックスで働いていなければ、ラブグラフはこういう会社のコンセプトになっていませんでした。

 

創業者と経営者は違う

株式会社ラブグラフの創業者でもあり経営者でもある駒下氏。その両者の役割は明確に違うという。

一言でいうと、経営者の役割は会社を大きくすること、創業者の役割は「どういう会社であるべきか」を定めることだと考えています。
創業者が発する言葉に共感する人が集まり、それが会社の文化となり、さらにそれがサービスにアウトプットされるんだと思うんですよね。
ですから、誰がどんなコンセプトでそのサービスを作ったのか、という点が重要だと思っています。似たようなものが誰にでも作れる時代だからこそ、なおさらです。
ありがたいことに、一昔前と違って今は、創業者のビジョンやサービスのコンセプトをSNS等で容易に発信することができます。それは現代の大きなメリットだと感じています。

また、創業者のもう1つの大事な役割は、優先事項を決定することです。
会社にはタスクがいくらでもあります。優先事項はカメラマンなのか、写真のクオリティなのか、顧客満足度なのか。それによってタスクの優先順位も変わってきます。
タスクの優先順位を決めないとサービスを成長させることはできません。ですから、創業者が優先事項を決めることが大事なんです。

 

「なぜ」を突き詰める

言葉でまとめるのが容易ではなさそうなこちらの問いに対しても、受け売りではない自らの言葉で理路整然と応じる駒下氏。
「どうしてそんなにきちんとまとめられるのか」という問いに対する答えもまた、理路整然としていた。

考えることや「なぜ」を突き詰めることが昔から好きなんです。「葉っぱはなんで緑なんやろ」とか「空はなんで青いんやろ」とか考えてしまいます(笑)
経営者は皆さんそうかもしれませんけど、世の中で起こった全てのことが自分たちのサービスに関係するんじゃないかと考えてしまうんですよね。

例えば最近ですと、大手広告代理店での労働事件が大きな話題になりましたよね。あの事件によって社会がどう変わり、そこで自分がどういうポジションをとり、どのように関われるだろう、と考えてみました。
あの事件によって、労働者が働きやすい環境を企業が提供する動きが促進されるだろうと予測しました。そうすると、企業の福利厚生の一環としてラブグラフを導入いただけないか、と考えたんです。
つまり、社員からみれば、本来自前で5万円あるいは10万円を払って結婚や出産や子どもの入学などのシーンで記念写真を撮るべきところ、その費用が浮くわけですから従業員満足度は高まりますよね。一方、会社からみても、通常は5万円、10万円払わなければ提供できないような福利厚生が、ラブグラフを使っていただければ1万円、2万円で済むわけですから、助かるはずです。

こんなふうに、考え方ひとつで、あらゆることが自分たちのサービスに関わりを持つんじゃないかという気がしています。

 

急成長はリファラルが支える

「採用はどうされているんですか」「リファラルが多いです」
このやり取りをした時点では「ああ、なるほど」としか思わなかったのだが、その中身を聞いて驚いた。

ラブグラフ3人目のメンバーである中井(健太氏・現COO)とは、元々なんとなくfacebookで繋がっているだけの間柄だったんです。
僕がfacebookで「ラブグラフ立ち上げました」「こんなことやってます」と発信していたら興味を持ってくれて参画してくれました。

付け加えると、中井氏は最近立ち上げたばかりのラブグラフ台湾のCEO、つまり、ラブグラフのNo.2の人物ということになる。

ラブグラフ4人目のメンバーであるエンジニアは、元々シェアハウスの先住者で、最初は何の仕事をやっているかも知りませんでした(笑)
カメラ好きという共通項で親しくなり仕事を訊いたらエンジニアだという話だったので、「うちでエンジニア探してるんだけど来てくれませんか」と誘ったら来てくれた、という経緯です。

ラブグラフの共同設立者である村田さんはどうだったのだろう。

村田と僕は、学生時代に同じスナップサイトで働いていました。彼女がWebデザイナー、僕がカメラマンでした。それが出会いです。

ようやく「普通」のリファラルが出てきた。
もっとも、今の若い世代にとっては、ラブグラフの中井氏やエンジニアさんのリファラルも普通なのかもしれないが。

 

これからのラブグラフ

勢いが加速するラブグラフ。今後の展開について、最後に伺った。

Lovegraph APIの開放

ラブグラフ所属カメラマンの空き状況を確認して予約できる「Lovegraph API」を始めます。
従来は弊社のWebサイトを通じてからしか撮影の申し込みができなかったのですが、APIを開放することによって利便性を高めることが狙いです。旅行・ウェディング・アパレル(浴衣&ドレス)・エンターテイメント(遊園地や水族館)業界と協業させていただければと思っています。

Lovegraph for friendsのリリース

あまりにも「ラブグラフしたいけど彼氏いない」と言われるので(笑)、友達同士の撮影サービスも始めました。
料金は3人までが14800円、1人追加ごとに3000円がかかるという体系です。これからの入学シーズン、記念にぜひご利用いただきたいですね。

Lovegraph TAIWANの設立

先般、台湾支社を設立し、CEOに中井が就任しました。
台湾は、訪日者の数でいうと、中国・韓国に次ぐ3位なのですが、人口比でみると台湾の率が圧倒的に高いんです。親日でもあり、訪日するリピーターも多いんですね。
ですから、このような台湾から日本へのインバウンド需要と共に、日本から台湾へのアウトバウンド需要にも応え、最終的にはグローバルなCtoCプラットフォームの構築を目指しています。

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