【起業インタビュー第17回】「したたかにしなやかに」 業界の逆風を乗り越えた保険営業コンサルタントの処世術|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第17回】「したたかにしなやかに」 業界の逆風を乗り越えた保険営業コンサルタントの処世術

公開日:2017.03.10

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まえがきとして―委託型募集人の廃止

保険業界に詳しい方には今さらであろうが、業界を知らない一般読者の方々のために、前提となる知識をごく簡単にご紹介したい。

保険の営業マンやセールスレディのうち、保険会社や保険代理店の直接雇用でない、いわゆる「委託型募集人」という形態が存在していた。
保険会社が業務委託した保険代理店の「店主」または「使用人」として保険営業を行っていた方々である。

ところが、「使用人」の要件が厳格化され、この「委託型」は認められなくなった。すなわち、募集人は、保険代理店と「雇用」「派遣」「出向」というような契約関係になければ保険の営業はできないという、金融庁による規制強化が実施されることになったのである。

それまで「委託型募集人」として生計を立てていた方々の選択肢は、大きく3つ。
保険会社や保険代理店と雇用契約等を締結するか、自身で代理店を立ち上げ、場合によっては「使用人」を雇用するか、廃業するか―。

今回のインタビューのお相手は、そのあおりを受けてなお、保険業界で活躍されている女性である。

下澤 純子(しもさわ じゅんこ)氏

  • 1987年 トヨタ自動車を結婚退職。専業主婦へ。
  • 1994年 離婚のため事務職で社会復帰。
  • 1998年 子供の小学校での学級崩壊をきっかけに時間の融通のきく保険会社に転職
  • 2005年 来店型保険ショップFLPに入社。入社半年で本店店長へ。
  • 2007年 伊勢丹での保険コンサルタントとなり、個人保険だけでAC2000万円超えのコミッション達成。
  • 2010年 eggplantを設立。

 

コンサル立ち上げまで

著書「働く女性がしたたかにしなやかに生き抜く仕事術」を上梓し、知名度がさらに上がってきた矢先の規制強化。
保険募集人を続けることを断念した下澤氏だが、著書を世に送り出していたことが幸いする。

著書の第2章で「下澤流、生保営業のやり方」という内容を書いていました。それを読んでいただいた保険会社の方からセミナーの依頼を頂戴して、何度か実施させていただきました。

だが、需要があってはじめて実施するため不定期であること、会社主導の実施であるため受動的な受講生もいることなど、ネックもあった。
そこで、保険会社を経由しないコンサルタント事業を立ち上げる。

 

保険営業のための1up講座

「今後の見込みがない」「訪問先がない」「もっと収入を増やしたい」「何をやったらいいのかわからない」「相談できる人がいない」
そういう営業の方は少なくありません。
でも、「1年後の見込み客の想定」「クライアント心理の把握」「本当のターゲット層とそれに対する独自のアプローチ」、この3つさえ実現できれば、『売り込まない営業、楽しめる営業』ができるようになるんです。

講座には反響も多く、大変盛況だと伺う。
保険営業のみならず、税理士・社労士・行政書士など士業開業者にも汎用性がある内容だそうだ。

 

起業家的メンタリティー

保険営業コンサルタント以外に、ビジネスマッチングの交流会主催なども手掛け、メルマガは週2回配信、ブログは毎日更新と多忙を極める下澤氏。
「企業人の頃と比べて大変ではありませんか」と尋ねたところ、即答が返ってきた。

今の方が自分には合っています。まず、満員電車が嫌いですから(笑)
それに、決められたことをやるよりは、やることを自分で探して考えてから実行する方が好きなんです。時間が空くこと、暇ができることも苦手で、常に何かやっていないと落ち着きません。
一番の息抜きは、このコたち(愛犬「たんぽぽ」と「どんぐり」)と散歩に出かけることですね。

左から「どんぐり」と「たんぽぽ」。今回の取材にもご同席いただいた。

 

今後のビジョン

営業担当者のいない「孤児契約」となってしまった契約者をフォローするために、下澤氏は数年ぶりに保険募集人に復帰すべく、㈱エムピーインシュアランスの「使用人」としての雇用契約を締結した。
コンサルタントも続けながらの今後について、どのようなビジョンをお持ちなのだろうか。

今は成果が上がらず伸び悩んでいる方の中にも、成長の見込みはあるけれど環境が、という方がいらっしゃいます。
そういう方の受け皿となれるようなチームを立ち上げられないか、と考えたりしています。
あとは、ちょっとしたことを訊きたい場合に役立つ情報を入手できるような、研修ひろばのようなものがビジネスマッチング交流会の中で作れればいいな、とも思っています。

 

編集後記

個人の力ではどうしようもないこと、例えば法や制度の変更などは、どの世界でも起こりうる。
仮にその変更が自身にとって不利だったとして、それを乗り越えられる人がどれくらいいるだろう。

「人見知りですし、仕事をしていなければ引きこもっていたかもしれません」と静かに笑う女性は、逆境を克服できる強い人だった。

 

【本記事で参考としたサイト】
保険業法等の一部を改正する法律の概要
保険会社向けの総合的な監督指針(本編) 新旧対照表
「保険会社向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について
コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方
説明資料①(保険募集等の委託の在り方)平成23年8月30日金融庁総務企画局企画課保険企画室
保険募集人の独立性-いわゆる委託型募集人対策を契機に-於:日本保険学会関東部会 2016.6.17 早稲田大学 大塚 英明
平成26年改正保険業法(2年以内施行)に関するQ&A

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