【起業インタビュー第7回】「目指す未来へ、道を編む」ピープルブランドマーケターの壮大な志と確かな実践|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第7回】「目指す未来へ、道を編む」ピープルブランドマーケターの壮大な志と確かな実践

公開日:2017.01.20

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旧知の方から「元ユニリーバのマーケターで起業した友人がいますよ」という情報をいただいた。それはぜひにお会いしたい、ということでご紹介いただいたのが今回の内藤博之氏である。

 

内藤 博之(ないとう ひろゆき)氏
約190カ国の消費者へ向けて、ブランド開発・育成に注力するユニリーバで、グローバルブランドマーケターとして、国境を越えたビジネスを10年間リード。2015年に独立し、心の本音(インサイト)を捉えるマーケティング思考を応用した人財育成・キャリア開発事業を創業。そのノウハウを生かし、前例にない、目指す未来を編み出す人財育成とキャリア開発を支援する企業、株式会社パスウィーヴを設立。約25業界2,000人を支援し、ピープルブランドマーケターとして活躍中。プロフィール詳細

 

PATHWEAVE <目指す未来へ、道を編む>

まず、株式会社パスウィーヴがどのような会社なのかを伺った。

パスウィーヴは、一言で言うと「人のブランドを育てるマーケティングカンパニー」です。
現在は、マーケティング思考を応用した「未来を編む力を磨く、人財育成・キャリア開発プログラム」を展開しています。未来とは、企業にとっては「ビジネス成長」で、個人にとっては「キャリア開発」を指します。

過去の事例や延長線上に目指す未来が見えないために、何か新しいことをしなくてはという焦りを持ちながらも、その方法がわからずに躊躇してしまったり、過去と同じことを繰り返してしまうことが多く見られます。
企業も個人も、未来の創り方に悶々としたり、何をして良いかわからないといった声が数多く上がっているのです。

例えば企業からは、「目指す成長目標はあるけど、過去と同じことを繰り返すばかり。何か新しいことをしなくちゃいけないんだけど、方法がわからない。どのように新しい価値を生み、ビジネスを成長させればいいのか?」というご相談を、個人の方からは、「今は悪いわけではないんだけど、何となく、このままで良いのかモヤモヤする。どうやったら、自分が楽しく働いたり、人生(キャリア)を築くことができるの?」というご相談を受けます。

このように、企業も個人も、どこに進むのかが読みにくい世界ですが、新しい価値を生み、未来を創るのは「人」です。世界中の一人一人が自分の未来を主体的に創造し、誰かへの価値貢献であるビジネスを成長させ、より良い世界を実現することは、これからより重要になってくると感じています。

そこで、一人一人が秘めている「未来への道(PATH)を自ら編む(WEAVE)力」を磨くことができれば、人の力で、よりよい世界が生まれる。そのように感じて、人の可能性や力を引き出す「人のブランドを育てるマーケティングカンパニー」を創業しました。

 

MOTIVATION <起業の原点>

内藤氏の起業の原点は、高校時代にまで遡る。

高校生の時、ホームステイツアーに参加し、世界の広さと異なる人の魅力に魅せられました。そして、これを機にオーストラリアへ留学をすることにしました。
当初は、英語を話せなかったため、苦労ばかりでしたが、帰国するとき、現地の友人に「あなたと出会わなければ、オレの人生はつまらなかった。ありがとう。」と言われ、その後、その友人は日本への留学を決意しました。そのとき、人のより良い人生に役に立つことが、嬉しかったことを今でも覚えています。

これをきっかけに、人の転機、自己実現を後押しする課外活動に打ち込みました。大学時代は、国内外の交換留学を支援するFACE=DtD=という団体を立ち上げました。
社会人になってからは、フィリピン孤児の進学支援をするPARASAIYOという活動を経営したり、社会人との出逢いと再会を生む野外冒険キャンプを企画するなど、様々な活動を多くの人と共に創ってきました。

帰国後、進路もまだ決まっていない、何者でもない自分でさえ、誰かの役に立てた、人が喜ぶ転機の後押しになったという喜びが、パスウィーヴを設立した原点ですね。

フィリピン孤児の進学支援PARASAIYO

 

MY PATH/CAREER <企業人としてのキャリア>

人が喜ぶ転機の後押しをしたい、という想いを胸に、内藤氏は企業人としてのキャリアを積む。

大学卒業後、人の自己実現の後押しを仕事にしたいとも思いながらも、新しい価値を一人でも多くの人、世界中に届ける経験を積みたいと考え、約180か国で人の生活を豊かにする、ユニリーバに就職しました。
入社時に描いていたのは、(1)ゼロからの価値創造の実績を積む、(2)世界の誰とでもやっていけるリーダーシップとマネジメントで成果を残す、(3)グローバルブランドの創り方を体得する、ということでした。 

その後、日本を出て、インド、シンガポールと拠点を変えながら、約50か国へ向けたビジネスを担当したのですが、新商品を出しても売れない、人の心に響かず、手に取ってもらえないなど、多くの壁にぶつかりました。その壁を乗り越える方法論がなかったため、自ら創ろうと、トライ&エラーを繰り返しました。その中で、新たな価値を生むポイントが3つあると感じました。
それは、(1)人の心の本音(インサイト)を引き出し、そこに応える価値、未体験の感動体験をつくること、(2)生活者が自発的に手に取りたくなるようにマーケティング戦略を立て、実行すること、そして、(3)理想の未来を描き、可視化し、過去の前例に囚われず、ブランドを育てること、です。
その3つの鍵が世界共通であると実感してから、日本だけでなく、タイ、インドネシア、中国、トルコなどでヒット商品やプロモーションを生み出すことができ、様々な国で、ブランド史上、最高の売り上げを達成することができました。

その時、築き上げた方法論や実践値って、ものづくりをする多くの人にとって、未来を切り拓く力になるのでは?、それに、人のブランドに応用すれば、自己実現を後押しすることができるのでは?とひらめきました。
それは、課外活動で続けてきた自己実現の後押しと、本業で挑戦し続けたブランドマーケティングがクロスする瞬間でした。そこで、自分が世界に対して、どのような役割を果たせるのか、果たしたいのかという志が明確になり、起業の道を歩み始めたのです。

 

PEOPLE BRAND MARKETING <「人」のブランドマーケティングカンパニー>

「人」のブランドマーケティングについて、さらに掘り下げてお話いただいた。

自分のキャリアを、自ら編んでいるという実感を持つことは、大きな力を発揮する原動力になります。
例えば、看護師の友人と話していると、「儲かるから、安定するから」という動機で職業を選ぶ人が増えているけども、そうすると、いつかくじける瞬間がやってきて、へこたれてしまうということを聞きました。その本人に、力がなかったのではなく、本当にやりたいこと、自らの本音に耳を傾け、自分で編んだキャリアとは言えないからです。

一方で、企業サイドからみると、即戦力人材を効率良く探すために、学歴・職歴というスペックに偏りがちです。その判断基準に、一定の合理性はあると思います。しかし、本人が望むこと、ワクワクすること、つまり、自分がやりたいこと、好きなこと、強みが発揮できていたり、目指す人生につながっていると感じられる仕事に就く採用ができていなかったりします。
ですから、自己実現につながっていると感じながら仕事をする人が増えれば、その職場やその企業は活気づくだけでなく、生産性も上がります。課外活動では、それが当たり前の日常です。

そこでパスウィーヴは、未来描きの力、埋もれた価値を可視化する手段、新たな機会をつかむきっかけをつくることで、本人の自己実現の後押しをしていきます。自己実現を果たす人が増えれば、企業にとっても社会にとってもプラスになると信じています。「自らが目指すキャリアの実現の後押し」、それが、「人」のブランドを育む新しいマーケティングの一つだと感じています。

 

FUTURE CREATION <なければ自分で創る>

内藤氏ご自身は、どのようなセルフブランディングをされてきたのだろうか。

私自身のキャリアを振り返ると、 「キャリアを編んでいる」という実感があります。成功か失敗かではなく、主体的に築いているという意味で。
例えば、ユニリーバには、私の入社当時、ローカル/リージョナルチームからグローバルブランドのチームに異動する、というキャリアパスはありませんでした。しかし、当時からそのチームで挑戦したかったため、自分自身のブランドを可視化して、上司であった日本のマーケティングヘッドにプレゼンしました。結果、海外各地のグローバルブランドヘッドにメールで私の情報が届き、結果として、偶然、シンガポールのグローバルチームと出逢うことができたのです。

ユニリーバとは、独立起業した今でも、ビジネスパートナーとして仕事をさせていただいています。マーケティング思考を人財開発に応用するプログラムを全社会議に応用し、経営者、社内の有志リーダーと共に、5回の挑戦を共にさせていただいています。
退職した元社員が、ビジネスパートナーとして会社と関わらせていただく、従前はそのようなキャリアパスもなかったと思うのですが、それも創ることができたと思います。もちろん、そこには、自分の力だけではなく、多くの方々に支えられ、助けられたのも事実で、感謝の気持ちを忘れたことはありません。

道なき未来に、新たな道を自ら作り、キャリアを編むことはできる。実体験でもそのように感じました。そこには秘訣があり、それがブランドを育てるマーケティング思考をキャリア開発に応用する理由です。

 

ONE OF THE OPTIONS <起業は1選択肢>

最後に、起業についての考えを伺った。

起業は、キャリアを築く1つの手段に過ぎません。起業をすることが目的になってしまう人も多いですが、無理やり起業する必要はないと思っています。企業の中でも、自分自身の描くキャリアを実現することは必ずできるからです。

自分の心の本音に耳を傾け、本当に心が漲ることを探し求め、行動をし続けることが大切だと思います。行動すると、果てしない大変さ、途方もない苦労、見えない未来への不安などと出逢いますが、その時こそ、自分の本音、気持ちが大切です。
また、今の自分を支えてきてくれた家族、先輩、友人などと話をしながら、未来を切り拓く準備をしていくと良いと思います。

私自身、道を編んでいる途中ですが、人生にはいろんな選択肢があります。これからその選択肢は増えていくと思います。その時のために、目指す未来を編み出す力を磨き、新たに生み出す価値で、より良い世界をつくる。そんな風に、世界が喜ぶ、未来への道を編む力になっていきたいと思っています。
私個人でいうと、15年間支援しているフィリピンの児童養護施設の子どもたちが、もっと未来に期待を持って、自ら切り拓いていく、その力になるような支援を展開していきます。

マーケティング思考を応用した「未来を編む力を磨く、人財育成・キャリア開発プログラム」を展開するパスウィーヴに興味がある企業や個人の方はこちらからお問い合わせいただけます。

 

編集後記

会社設立、個人事業、ダブルワーク、テレワーク・・・「1つの会社に勤め、1つの会社から給与を得て生業とする」以外に、さまざまな選択肢が現に存在し、それらを選んで自分らしい生き方を貫いている人がたくさんいる。最近つくづくそう実感する。

どの道を選ぶにしても、大事なのは「人」だ。その人のスキル、経歴、魅力、人柄・・・その集合体である「人財」が、社会的価値を創り出すからだ。
もっとも、人財の育成というものは、テンプレートに流し込めば自動で完成するような画一的な作業ではない。人の内面的な成長は、子どもの背がすくすくと伸びていくように可視的なものでもない。
そういう困難への内藤氏のチャレンジが成功することを願って止まない。

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