【起業インタビュー第8回】「ドラえもんのようでありたい」 日本一のベンチャー企業事業拡大請負人の日本活性化計画|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー第8回】「ドラえもんのようでありたい」 日本一のベンチャー企業事業拡大請負人の日本活性化計画

公開日:2017.01.24

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「本当の顧問ってのは、誰にでも会えなきゃいけないんだよ」
キヤノン代表取締役会長、サントリーホールディングス代表取締役副会長、徳川家第19代当主、東京都知事・・・続々と並べられる名刺の面々に、私は度肝を抜かれた。

森部 好樹(もりべ よしき)氏
1948年佐賀県生まれ。東京大学経済学部卒。有限会社ロッキングホース代表取締役。名刺の裏の肩書は「元銀行員 今ベンチャー企業の事業拡大請負人」

 

銀行マンから小売業へ

50才で日本興業銀行からビックカメラへ出向した森部氏。全くの畑違いではあったものの、興銀で培った豊富な人脈を活かし、ビックカメラ有楽町店をそごうの跡地に出店する道筋をつける等の実績を上げる。

子会社を1年で黒字化

この実績から、子会社であるビックコンタクトの社長職を拝命すると、粗利の高いメガネに着目し、その売上促進を図る。結果、わずか1年で赤字を黒字(3億円)に転換。

50代で起業

さらに、この経験を活かし、新たにメガネ製造販売会社「オンデーズ」を興す。

当時、低価格のメガネ販売店が登場していたから、そのブームに乗っかろうと。
ただ、ビックコンタクトは集客をビックカメラに依存していたからよかったけど、オンデーズは集客からやらなきゃいけない。そこで、これまた興銀時代の人脈を活かして、JR東京駅の改札横の一等地を10坪だけ貸してもらったんだよ。
それまでだと、メガネ屋の広さは30~40坪が相場。つまり、うちは通常の3分の1ぐらいの広さだったんだ。でも結果的に、それがよかった。

10坪なんて、3人も入れば窮屈な気がするのだが…。よかった、とはどういうことだろう。

まず、狭いからテナント料が少なくて済むよな?
次に、従業員も少なくて済む。
さらに、そんなに狭けりゃ万引きもできないだろ?(笑)
ほら、いいことずくめじゃないか。

おっしゃる通りでした…。

オンデーズ、郊外へ展開

東京駅、横浜駅の店舗で実績をあげた森部氏の次の狙いは郊外のショッピングモールだった。

イオンに相談したら「月坪単価(※ひと月あたりの売上を店舗の坪数で割った数値)はいくらですか?」って訊かれたんだ。
で、東京駅と横浜駅の店舗の数字を伝えると「もう今日からテナントに入って下さい」って(笑)。うちの月坪単価は、イオンの従来のテナントの7~10倍だったらしいから。

ここでも店舗の狭さが奏功した、と森部氏は笑う。

そこで、指定された水戸(茨城県)のモールに出店したんだ。違うメガネ屋さんが撤退した跡地の36坪だったんだけど、「12坪でいい」って減らしてもらってさ。
そしたら、月坪単価でいきなり関東でトップクラスになっちゃって。

現在、9か国170店舗にまで広がっているオンデーズの礎は、間違いなく森部氏が作ったものだ。

 

小売業から顧問業へ

順調にオンデーズの業績を伸ばしていた森部氏だが、ビックカメラの株式上場に伴い、今度は旧興銀系列の広告代理店を任せられることとなる。

ネット業界に目をつけたんだけど、広告代理店の社員の平均年齢は53才。誰もネット業界なんか知らないわけだ(笑)
仕方ないから、関連しそうな展示会に自分で足を運んで、業界の経営者に片っ端から話を訊いて回ったよ。

ネット業界の若い経営者達と話すうちに、森部氏は彼らと自分の相性の良さを実感したという。

彼らは優れたコンテンツを持ってるけど、それを売るための販路・人脈がない。
一方、私には、コンテンツはないけど人脈がある。この両者が一緒に組めば、互いが補完し合ってうまくいく、と思ったね。

 

「日本一」の顧問

現在、顧問先が70件を超えているという森部氏の会社ロッキングホース。どのようなビジョンで運営されているのだろうか。

私はね、のび太のムチャ振りに全て応えるドラえもんのような人間でありたいんだ。
つまり企業には、連関性のない様々なニーズがあるわけだ。「販促をしたい」「ITを採り入れたい」「いい人材を迎えたい」「コストダウンを図りたい」「福利厚生を充実させたい」とか。その全てに応えられる顧問でありたいんだ。
そのためには、100社ぐらいの顧問を引き受けることが必要かな、と思っている。

闇雲に引き受けるのではなく、「これは」と思う会社に絞って自らの人脈に乗せ、販路確保を促しているという森部氏。
「森部さんが連れてくるのなら、きっといい会社に違いない」という、紹介相手との信頼関係を構築・継続することが大事だという。

 

週休3日制

ロッキングホースでもう1つ特筆すべきことは、全社が週休3日制であるということだ。

本当は週休4日にしたかったんだが、あまりにカルチャーが違い過ぎて顧客から反発を買うおそれがあるからね(笑)
この制度にした真意は「週4勤務で週5勤務の会社に勝て」、つまり「生産性を上げろ、工夫しろ」ということ。
そもそも人間の脳は、通常その10%ぐらいしか使えていないっていうじゃないか。それを活かす工夫をしなさい、ってことだよ。

「生産性の向上」――言い尽くされた感のあるフレーズだが、森部氏が並の経営者と違うのはここからだ。

例えば私は、大企業の偉い人と私の顧問先を引き合わせる際に、当初1時間に1社ずつ引き合わせていたのを、2社に増やした。生産性は2倍だよな?
その次は、1時間3社に増やした。3÷2で生産性は1.5倍だ。今は4社に増やしてる。ってことは4÷3で1.3倍だ。
なにも劇的なことをしなさい、と言っているわけじゃないんだ。小さくてもいいからイノベーションを繰り返すこと、これが「生産性の向上」なんだ。

「生産性の向上」を図るための心構えについて、氏はこう続ける。

大事なことは、解決したら忘れるってことだな。ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、の繰り返しだ(笑)
それから、一石三鳥、できれば一石五鳥ぐらいを狙うこと。そう想わないとダメ。想えばそこそこできるんだ。一石二鳥なんて諺にも出てくるぐらいのことじゃ足りないな(笑)

緻密な戦略と豪快な発想が同居し、それらを実現する森部氏。とても来年古希を迎える方とは思えない。

 

「日本のためになるようなこと」

「72才ぐらいまでに、自分が思う『日本のためになるようなこと』をしたいね」と語る森部氏。それはコーディネーションによる日本の活性化だと言う。

私が入った日本興業銀行が「業を興す」お手伝いをしていたように、「業を興す」というキーワードにより、日本を活性化することに、私なりに一太刀いれたいね。
活性化のポイントは3つ。
1つ目は、20代・30代と60代のコーディネーション。発想豊かな若者と元気なシニアを結びつければ、必ず活性化に繋がる。
2つ目は、東京と地方のコーディネーション。ITの導入によって、地方の会社も再生すると思うんだよ。また、地方は東京を向くんじゃなくてアジアを向きなさいということもエデュケイトできればと思っている。
3つ目は、日本と海外のコーディネーション。ただし、海外に行く時間がない。そこで、ポイントは、国際競争力強化、つまりグローバル化への対応だと思う。端的には、英語の習得が大事だな。そういう支援、事業もやるよ。
その一つとして4月には、元大リーガーで、バイリンガルのマック鈴木と組んで、英語野球教室をスタートさせる予定。対象は5~10才。そのくらいの年齢から英語をやると、バイリンガル育成可能だよ。そこからビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズが生まれれば最高じゃないか。

 

編集後記

千葉マリンマラソンの準備で2時間ジョギング。17キロ。調子はまずまず。

先日、facebookのタイムラインに上がってきた森部氏の投稿を拝見して、再び私は度肝を抜かれた。
マラソン準備?2時間で17キロ?まずまず?調子が良いともっと速いってことですか?

もしそういうふうに尋ねたら、氏はこういう風に言うに違いない。
「私はね、人があっと言うようなことをケロッとやりたいんだよ」
「たとえ、それが叶えられなくても、それに向けての努力が大切なんだよ」と。

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