「街の店主たちは、その街の貴重な文化財」取り置き&事前決済のシンプル設計が街のパン屋を救う!?パンの取り置きアプリ「sacri(サクリ)」株式会社sacri 大谷パブロ具史【起業インタビュー155回目】|起業サプリジャーナル

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「街の店主たちは、その街の貴重な文化財」取り置き&事前決済のシンプル設計が街のパン屋を救う!?パンの取り置きアプリ「sacri(サクリ)」株式会社sacri 大谷パブロ具史【起業インタビュー155回目】

公開日:2020.12.21

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対面での接客やお店への長期滞在に神経質になってしまっている現在、パン屋に特化した一つのアプリに今注目が集まっています。サービスの中心は、取り置き&事前決済に焦点を当てたシンプルな設計。時代背景も追い風になり、街のパン屋を救う一手になるパンの取り置きアプリ「sacri(サクリ)」について、大手広告代理店からスタートアップの道を選んだ起業家 大谷氏に話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社sacri 代表取締役 大谷パブロ具史氏)

1986年マレーシア生まれ。2009年に株式会社博報堂に入社。プロモーションプランナーや営業として大手クライアントのマーケティング支援に従事。2017年、博報堂DYホールディングスの社内ベンチャー制度にて、株式会社frascoの共同代表として街歩きメディア「Stock.Shop」の事業開発と運営を経験。この事業の現場での経験から、ベーカリー業界が抱える大きな課題を痛感し、「ベーカリー業界特化のマーケティングソリューション」の提供を決意。2020年9月に博報堂を退職し、街のパン屋さんの取り置きアプリ、「sacri(サクリ)」の事業開発を行っている。

 

株式会社sacriについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

街のパン屋さんの取り置きアプリ「sacri(サクリ)」の開発と運営をしています。

 

ー 「sacri(サクリ)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

街のパン屋さんのパンをどこからでも簡単に取り置き&事前決済ができるというのが、sacriの主だった機能です。

これまでは、夕方以降にお店に行っても人気の商品は品切れ・欲しかったパンが手に入らないといったパン屋さんとお客さん側に生じていた課題を、お気に入りのパンの【焼き上がり通知】や【取り置き機能】によって解消しています。社名とサービス名になっている「sacri(サクリ)」は、【サクッと取り置き】の利便性とパンを食べたときの【音(しずる)】から付けました。

ー 「焼き上がりの通知&取り置き」ってシンプルですけど、パン好きにはとても嬉しい機能ですね!

はい。それ以外にもサービスの特徴としては、2つあって。

まず一つ目は、アプリがターゲットにしているのは、新規顧客ではなく「既存顧客に割り切っている」という点です。sacriは、新しいパン屋さんを見つけることに特化したUIやサービス設計は行っておらず、基本的には、(お店に)一度足を運んでいて、そのお店のパンの味や魅力を知っている方が前提です。そういった、職場や近所にある馴染みのパン屋さんの新しいパンの買い方を提案しているサービスです。

最後は、事前決済までもサービスで済ませられるので、ユーザーはお店で「受け取るだけでいい」というのも密集回避などに神経質になっているこの状況下においては、店舗・ユーザーにとってもメリットであると感じています。

ー 実際、どんな方々がサービスを使っているのでしょうか?

最初は、20-30代のパン好き女性をイメージして、企画と開発を進めていたのですが、現状ヘビーユーザーとなっているのは、40-60代の女性がメインの層になっています。オフィス街などパン屋のある立地によってメインの購買層は変わってきますが、やってみると想定したターゲット層が違ったのは驚きでした。

 

「街のパン屋さんはアナログの極み」変化を求められる時代の追い風にのった、取り置き&事前決済のサービス

ー 「取り置き」と「事前決済」で、お店に滞在する時間も短縮できますし、今の時代に合っているサービスですよね。お店にもユーザーにとってもメリットの高いサービスだと思いました。

そうですね、新型コロナウィルスの影響は、サービスの普及という点については追い風に働いているのが現状です。ただその背景には、業界全体のIT化の遅れも大きく寄与した点であるとは思っています。

 

ー それは、どういうことですか? 

sacriを通じて様々なパン屋さんの運営方法を伺いますが、飲食業界全体と比較しても、パン屋さんはかなりアナログの極みをいっている印象があります。例えば、レジも金額だけ打ち込むタイプで、何が・どれだけ売れたか把握できないお店さんであったり、天気予報をみて経験と勘を頼りに作るパンの数を決める店舗さんがまだまだ沢山あります。そこには、まだまだマーケティングの介在余地であったり、ITツールの導入による業務改善などの需要は高いと感じています。

なので昨年の様な状況であれば「ウチはまだ、導入しなくていいよ」と言われているかもしれませんが、新型コロナによって変化をせざるを得なくなった今、お話をさせて頂ければ9割以上は導入を決めて頂いているので、少しは街のパン屋さんのお役に立てるものが作れているのかなと感じています。

 

ー 実際に導入店からは、どんな反応がきているのでしょうか。

一人当たりが購入する購買単価が上がっている話は、よく耳にします。多いところで、通常の2.5倍ほど上昇している傾向も見られます。

 

ー 2.5倍!?それはすごいですね。

これも偶然の発見なんですけど、パン屋さんにいくと必ずトングとトレーを持ちますよね。そしてトレーがいっぱいになると、そのままレジに向かう傾向ってないですか?

 

ー ああ、確かに。そうしていますね。

実は、これがパン屋における購買単価を決める要因になっていたんです。

実際、お店で2枚トレーを使ったり、潰れやすいパンをトレーに重ねている人ってあまり見かけないですよね。sacriの場合はアプリ内での選択&決済の為、今言った様なことを気にせずにどんどん買えるので、結果的に来店時より購買単価が上がっているという結果になっているんです。

 

ー へえ!あの最初に手に取るトレーが顧客単価を決めていたって、おもしろい発見ですね(笑)

最近はオシャレなパン屋さんはトレーが小さかったりするんですけど、あれは絶対に辞めた方がいいですね(笑)

ー 一同:(笑)

 

「ユニークな街の店主たちは、その街の貴重な文化財」大手広告代理店からスタートアップの道へ

ー  起業をされた経緯についても伺いたいのですが、いつ頃から起業を意識していたのでしょうか?

父親も経営者だったので、起業することに抵抗感は無かったのですが、新卒で入社した博報堂は忙しい環境でしたので、中々そこと向き合う時間を取れずに社会人生活を過ごしていました。

転機になったのは、入社10年目の時にエントリーした社内ベンチャーコンテストでした。これまで既にブランド力がある会社と、大きな予算を頂いてアウトプットを作る立場だったのが、認知もブランドもないとこから始めることの難しさと同時に、そこに面白みとやりがいを感じたんです。

結果的にその社内ベンチャーコンテストで優勝でき、事業化に向けた予算をつけてもらったのですが、1年半ほど運営する中でマネタイズ化までいきつけず撤退という結果に終わりました。ただ、その悔しさですら、長らく広告業界にいた自分にとっては新鮮なものでした。会社には、大変申し訳ない気持ちですが、今思えばあそこで失敗した経験があって、今の自分があると思っています。

 

ー  そこから「sacri」が生まれた経緯についても教えて下さい。

社内ベンチャーでは、東京のの個人が営むライフスタイルショップを応援するWebメディアを立ち上げたのですが、そこでの反省から【マネタイズまでの道のりが長期化するメディアを運営すること】や【課題やニーズが異なる複数のジャンルにまたがる】ことは避けようと考えました。それに加えて、個人店にとっては日々の売上に直結していくマーケティングソリューションを提供することの方が本質的に価値があると痛感しました。

パン屋に特化したのは、その過程で店舗とお客さんの間に存在する大きな課題を見つけたからなのですが、実は業種を問わず「個人のお店を応援したい」という気持ちも同じくらい強いんです。

私自身、小さい頃に地元の釣具屋によく入り浸っていまして、そのお店で過ごす時間がとても好きでした。そこの店主からは、釣り以外にも音楽や人生相談など今の自分に活きる色々な影響を受けました。今では少なくなっているのかもしれないですが、やはりそういった街のユニークな店主たちの存在って、そこで暮らす人にとっては、人生や生活を豊かにしていく「文化財」なんだって思うんです。

 

ー  なるほど。

ECやGMSが普及してそういうお店の存在も少なくなっていますが、僕は「その人でしか出来ないことが存在する」と信じています。そんな個人で頑張っているお店を応援するサービスを作りたいと考え、まずは街のパン屋さんからそれをスタートすることに決めました。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい

現在は、取り置き&事前決済に特化したサービスになっていますが、今のsacriが解決していることはまだまだ課題の一部分だと感じています。ゆくゆくは、経営のインフラにまでサービスの提供範囲を広げて、街のパン屋さんにとって本当に必要なサービスを目指していきます。

それと同時に隣接業界への展開も考えていまして、すぐに出来る分野としては、スイーツ業界などへの展開も視野に入れています。

 

ー 確かに。ケーキ屋さんでも同じ様な課題はありそうですね!最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

実は、先日全国放送でsacriを紹介して頂いたのですが、アプリユーザーさんの中では「登録したけど、自分の住んでいるエリアにsacriが使えるパン屋がない」といったことが起きています(汗)我々ももっと沢山のパン屋さんにこのサービスを使って頂きたいと思っていますが、自ら足を運んで全国にいく営業のリソースも足りておらず、、もし記事を読んで下さった皆さんの中で、パン屋のお知り合いがいたら是非サービスを紹介頂けたらと思います。

同時に採用も積極的に行っていますので、パン好きのエンジニア・カスタマーサクセスに興味がある方もいれば、お気軽にご連絡ください!

 

ー お知り合いにパン屋がいる方は、是非sacriをご紹介頂けたらと思います。今日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

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カタヤマショウヘイ

カタヤマショウヘイ

新卒から約6年間、人材ベンチャーにて法人営業・キャリアコンサルタント、採用コンサルタントとして従事。専門領域は、中途採用全般。2016年にフリーランスとして独立。その他、専門領域として地域活性分野にも携わっており、現在は福岡に関するUIターン向けメディア「福岡移住計画」のディレクターとしても活動中。現在は、地元群馬を拠点に「半分農家・半分〇〇」といった形で仕事と場所に捉われず、活動を拡げています。

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